日々

運命の人

もしもあの人が男性だったら、間違いなく
私は運命を感じてしまったと思う。

だって、あり得ないところで、あり得ない
タイミングで、しかも定期的に私たちは
出会うのですもの。




のざわさん。
我が大ボスの秘書さん。

院内はあまりにも広く、同級生で同じ科の人にも
めったに会わないというのに、私がひそかに見つけた
誰も通らないような近道をちょっと得意げな気持ちで
通る時、必ずのざわさんに会う。
「近道だからのざわさんも通っているのではないか」?
いや、最初はそう思っていたのだけど、その道を通るのは
1週間に1度あるかないかだし、曜日だってまちまちだし、
微妙にマイナーチェンジさせても、絶対、会う。
ちょっと、晴れている日にふと木漏れ日を浴びたいと思って
突然大きくルートを変えても、会うのだ。

院内だけではない。
普段はこれまた通らない道に、風が気持ちいいとか新緑が
きれいそうだとか、そういう理由で新規開拓!と思ってしらない
道を通るときなぜかのざわさんに会う。
『こういう奇妙なところを歩くときは、のざわさんと遭遇するんだよね』
とかは、全く思っていない、もちろん。
のざわさんのことは、考えていない、正直。
でもそういうときにあらわれるから驚くのだ。

のざわさんと、たくさん話したことはない。
でものざわさんも、私と会うことがもう、偶然ではなく
必然みたいになっているように思っているようである。

のざわさんの普段働いている持ち場で、のざわさんにあっても
なんだか奇妙な感じがする。
話も事務的なこと。それ以上でも以下でもなく。
特に、普段驚くべきタイミングで顔を合わすことは話題として
のぼらない。
でもこういう、偶然の出会いがある時、わたしたちはもはや
わあ、偶然!
などといった反応にはならない。
「やっぱり会っちゃうよね、こういうところで」と、もうあたりまえの
ことのように受け入れていて、本当に不思議である。

女子としては、私とのざわさんは、ずいぶん違う。
プライベートでの食事とか、おしゃべりとか、そういうことは
一切したことがない。
のざわさんと私の距離は近いような遠いような。
ただ、偶然出会うことが、とてもおおい相手。なだけ。
でも。

もしものざわさんが、男性だったら、私は間違いなく
意識し始めていると思う。
ただ偶然、会うこと。
でも、それも何度も何度も繰り返されると、偶然ではなく
必然なのではないかと勘違いしそうになる。
しかも、自分ひとりでぼうっとしたいとき、一人の時間を
楽しんでいるときに、ふっと私のプライベートスペースに
あらわれるのである。
びっくりするのは、出会うことではなく、のざわさんにとっても
おそらく同じようなプライベートスペースに、私が入って行って
いるのだという、その共通性。

こんなに広い、三次元の空間で、しかもピンポイントに「その」
タイミングで出会っちゃう。

のざわさんはとても色が白くて、穏やかで、不思議な空気を
醸し出しているけれども、もしかしたら自分と、おいしいと感じる
空気やまばゆいと思う緑やかぐわしいと思う香りが、同じなの
かしら。
ちょっと道をそれて、気持のいい空間を通過しようと思う感覚が
同じなのかしら。

私はこの、近くも遠くもない、ばったりと出会う関係を、なんだか
大事に思う。
だって、異性だったら
「好きかも」
って思っちゃうぐらい、何かを感じるもの。
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by desreelove | 2009-06-13 12:43 | ふと一言

2012年4月よりカナダトロントに住んでいます。
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